公益社団法人 日本医学放射線学会

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放射線科の紹介

放射線科の紹介

Power of Imaging 放射線医療の可能性と未来

放射線科とは

放射線科は単純X線写真から最先端画像までの画像診断と画像誘導下で行う局所治療(インターベンショナルラジオロジー:lVR)、および放射線を使った侵襲性の少ないがん治療を行う診療科です。画像を扱う画像診断部門と放射線治療部門とから構成されます。

画像診断部門で行われること

X線写真、CT、MRl、超音波検査(エコー)、核医学検査(PETを含む)の画像診断を行います。現在の医療は画像診断なくして成り立たちません。しっかりとした画像診断が医療の質を保証する第1歩です。画像診断部門にはIVRという専門領域があります。血管撮影装置、CT、超音波などで体の中を観察しながら皮膚から挿入したカテーテルなどを病巣部まで誘導し、がんや血管病変を治療します。侵襲性の少ない治療を希望される患者さんに適応があります。

放射線治療部門で行われること

臓器温存を目指すピンポイント治療から化学療法やlVRの併用による進行がんの治療まで、放射線を使ったがん治療を行います。近年、侵襲性の低いがん治療法としてこれまで以上に注目を集めています。

画像診断医について

画像診断専門医は大学医学部における6年間の医学教育、医師国家試験、2年間の臨床研修、3年間の画像診断と放射線治療の研修、2年間の画像診断研修を終了した上で、日本医学放射線学会の画像診断専門医試験に合格した医師です。画像診断医は一般に画像診断専門医のことで、放射線被曝の安全性と防護、MRIの安全性、各種画像の特性と適応、画像診断に必要な画像解剖や病理、画像診断報告書作成について専門のトレーニングを受けています。IVRの専門医は更に、日本インターベンショナルラジオロジー学会のプログラムに沿った修練を行い、その専門医試験に合格した医師です。

放射線治療医について

放射線専門医は臨床研修に続く2年間の画像診断と放射線治療の研修までは、画像診断医と同じプログラムですが、最後の2年間は放射線治療に特化した修練が必要で、その上で日本医学放射線学会の放射線治療専門医試験に合格した医師です。放射線治療医は放射線被曝の安全性と防護、放射線の生物学的効果と副作用、放射線治療計画の立て方、がん患者ケアについて専門のトレーニングを受けています。

画像診断と放射線治療を支えるスタッフ

放射線科医は診療放射線技師、放射線科看護師とチームを組んで診療をしています。診療放射線技師は各種画像検査において、患者さんの協力を得ながら、放射線被ばくを始めとする安全性に十分注意を払って撮影を行います。また、装置が正常に働くように整備や管理を行います。診療放射線技師は専門学校、短期大学、大学の診療放射線学を3年以上修め、国家試験に合格した医療技術者です。放射線科看護師は、画像検査や放射線治療を受ける患者さんの身体的負担や精神的負担が少しでも軽減するよう介助をします。

あなたと放射線科

あなたの主治医がCTやMRIなどの画像検査の結果をあなたにお伝えするということは、通常はあなたの主治医が画像診断医の診断報告書を読みそれを解釈した上であなたに説明をしていることを意味します。画像診断医はCT、MRI、PETなどの最先端画像診断に熟知した医師です。画像診断医が直接あなたに会う機会は少ないですが、あなたが受ける医療の質を陰から支えています。ぜひ、お掛かりの病院では画像診断に画像診断専門医が関わっているかをお尋ね下さい。
放射線治療は低侵襲性で高い治療効果が期待できる治療法です。しかし、放射線治療にあたっては、放射線の治療効果や副作用について十分な知識と経験が要求されます。あなたの放射線治療担当医が放射線治療専門医であるかをお尋ね下さい。 現行の医療法では、放射線科専門医が不在でも放射線科を診療科として標榜できます。したがって、医療施設に放射線科専門医が居るか居ないかは病院の掲示にそのことが明記されていない限り判断できません。これからは、あなたにも積極的に医療に参加していただく時代です。画像診断専門医や放射線治療専門医の常勤医が居ることを、主治医や病院スタッフにお尋ねになるか病院のホームページ等でご確認下さい。

放射線科診療の一般的紹介

IVR

核医学

放射線治療