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Quantitative Imaging Biomarker

Ultrasound Shear Wave Speed (SWS)

— Ultrasound Shear Wave Speed (SWS)

 現在の超音波診断では、複数の技術を用いて生体の定量的な硬度測定を行うことが可能となっている。それら技術では、機械的な外部刺激や音響的な刺激により生体内部の組織を振動させ、その振動が周囲に伝わるスピード(剪断弾性波伝搬速度:Shear Wave Speed)を測定することで、生体の硬さを推定している。
 これらは既に多くの超音波診断装置や専用装置に実装されており、ボタン一つで数秒での測定が可能で、非侵襲的に繰り返し安全に測定できるため、肝や腎の硬度測定をはじめ、乳腺や甲状腺腫瘍、リンパ節腫大の良性悪性診断、リハビリ現場における筋の硬度測定など、ほぼ全身の臓器に対して広く行われている。特に肝臓については2018年に保険適用されるなど、その応用が進んでいる。
 一方で、測定方法や条件の違いによる測定値のばらつきがみられたり、検者間・施設間・装置間・メーカー間で測定値が一定しないという状況があるにもかかわらず、学会や論文で発表された数値が独り歩きするといった問題が生じている。
 これに対しRSNA-QIBAでは、適切な測定値を得るための測定方法や、その数値の解釈について提言を行うべくプロファイルを作成している。まずは肝線維化に対するSWS測定に関して、まもなくプロファイルが公表される予定である。
 J-QIBAのメンバーは、これまでファントムやラットの肝臓を対象として、レオメータやMR elastographyによる硬度測定と比較することで、SWS測定の再現性・妥当性の検討を行ってきた。特に、MR elastographyのグループが作成しているMR-US両用ファントムはJ-QIBAの大きな特徴となっている。
 今後はRSNA-QIBAや日本超音波医学会とも連携し、多施設間・多装置間におけるファントムや人を対象とした検討に加え、基礎的な検討を行い、各メーカーにも提言を行っていく。

参考文献
  1. http://qibawiki.rsna.org/index.php/Ultrasound_SWS_Biomarker_Ctte
  2. https://qibawiki.rsna.org/images/9/94/US_SWS_Poster2017.pdf
  3. Shiina T, Nightingale KR, Palmeri ML, Hall TJ, Bamber JC, Barr RG, Castera L, Choi BI, Chou YH, Cosgrove D, Dietrich CF, Ding H, Amy D, Farrokh A, Ferraioli G, Filice C, Friedrich-Rust M, Nakashima K, Schafer F, Sporea I, Suzuki S, Wilson S, Kudo M. WFUMB guidelines and recommendations for clinical use of ultrasound elastography: Part 1: basic principles and terminology. Ultrasound Med Biol. 2015 May;41(5):1126-47.
  4. Ferraioli G, Wong VW, Castera L, Berzigotti A, Sporea I, Dietrich CF, Choi BI, Wilson SR, Kudo M, Barr RG. Liver Ultrasound Elastography: An Update to the World Federation for Ultrasound in Medicine and Biology Guidelines and Recommendations. Ultrasound Med Biol. 2018 Dec;44(12):2419-2440.
  5. Kishimoto R, Suga M, Koyama A, Omatsu T, Tachibana Y, Ebner DK, Obata T, Measuring shear-wave speed with point shear-wave elastography and MR elastography: a phantom study, BMJ Open, 7(1):e013925. doi:10.1136/bmjopen-2016-013925, 2017
研究担当者:
千葉大学 フロンティア医工学センター 山口 匡
量研機構 放射線医学総合研究所 岸本 理和